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動物病院こぼれ話・5 =怖かった話=

夏といえば怖い話・・・

私、怖い話は大嫌いです
霊の存在などは信じるし、それが見えるとか感じるとかいうヒトの話は信じます
従姉妹は霊を見る事が出来、場合によっちゃあ霊と会話が出来ることもあるとか・・・
夫も感じやすいらしく、過去に「見た事がある」そうです

私は何も感じないし、見た事は無い  感じたくないし見たくない

でも、よく思い出してみたらあったんですよ 体験したことが・・・


初めて就職した動物病院は、とても広い敷地に建つ大きな病院でした
開業からの年数も古くて、その辺りじゃちょっと有名な病院
古い病院ってのは、とにかく色んな噂話やジンクスなんかがあるものです

その病院の勤務体制は、
        週休2日・週に一度の早上がり・2週に1度の夜勤 
というものでした

診察時間は19時まで その後、掃除やらカルテ整理やら残務を行い、病院を出るのは
大体20~20時半頃でした
週に1度の早上がりの日は、17時に帰れます
そしてその代わり、2週に1度の夜勤日は、それぞれが「帰宅できるギリギリの時間まで居る」
というルールがありました
終電がある間は残って仕事しなされ、ということです

ちなみに 夜勤手当のようなものはありません でも夕食は好きな店から好きなものを好きなだけ出前を頼むことが出来ました

残ってやる仕事、それは検査に使った試験管を洗ったり、その病院で好んで使われていたガラスの注射器を消毒したり、手術器具の滅菌作業、ワクチンお知らせ葉書の作成、薬や処方食の在庫管理・・・
とまぁ 細々と色んな仕事があります
もちろん 急患の対応もします

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ある夜勤の晩に、それは起こりました

夜勤の日、その日は私は車で出勤していました 万が一、帰れなくなったときのことを考えてそうしていました
帰れなくなると、病院2階の院長の自宅に泊まることになるのです・・・それはヤダ!

雑務をこなす私
夕食を大好きな洋食屋から出前を取って食べ、ご機嫌で先輩に命じられた注射ポンプと針の補充をしていました

22時頃、1本の電話  急患です
詳しくは覚えていませんが 確かネコさんの具合が悪いってことだったと思います

2階には院長が住んでいるので呼んで診てもらえばいいのですが、その日はあいにく出張で不在
そいうときは、その当時5人居た獣医の「当番」の先生に連絡することになっていました
状況を話し、来院してもらうことになりました

急患と当番先生が病院に到着したのは23時少し前
問診を取り、一般状態を診て、確か血液検査をして・・・点滴と注射をしたかな
患者さんが帰り、診察室の片付けを終えたのは23時50分
電車だったら間に合わない時間になってました 車通勤してて良かった

動物病院こぼれ話・5 =怖かった話=_a0094978_2338475.jpg


   もう、帰ろう
来て診察してくれた先生に声をかけられ 
  そうですね、帰りましょう 最後に犬舎の様子、見てきますね

犬舎に入る私・・・ 犬舎には病院の居候犬の中型犬1頭、マルチーズ1頭、入院中の小型犬1頭が居ました
みんな、何事もなく大人しく眠っています

と、そこで・・・・・・
嫌なことを思い出しました
2.3日前に先輩が話していたこと それは・・・


    0時になると、犬舎から大きな物音がする 

大慌てで犬舎から出る私 犬舎に居たのは3分くらいでしょうか
それからものすごい早さで着替えました
その日、急患を診に来てくれた先生は男性でしたが更衣室の前に居てもらい、ずっと会話をしててもらいました

相当なビビリです、ワタシ

帰るには、どうしても犬舎のドアの前を通らなければなりません
何としても、0時前に病院を出なければ!!

イヤ、噂は噂だよ ドアも閉まってるんだし、音なんて聞こえるわけないじゃ~ん・・・

ああぁ~~ もう、早く、早くここから出たい!!

色んな思いが頭をグルグルグルグルグル・・・・・・・・・

着替え終わり、更衣室から出ると真ん前にある小鳥用の「温室」の、セキセイインコ用の水が
ひっくり返ってこぼれてました

大急ぎで水を入れ替えるワタシ・・・

うがぁああぁ!!水入れてるヒマなんか無いんだよぉーー!!(インコ、ごめん)

もーーう、タイムリミット!これ以上は病院に居れない!居たくない!


先生と小走りに病院を出ようと、犬舎の前を通りかかった・・・その瞬間



  ドガッシャーーン!カチャン


ものすごい勢いで、犬舎のケージの扉が閉まった音がしました
開いてた扉を乱暴に、足で蹴って閉めたかのような金属がぶつかった音
そしてケージのロックがカチャンと落ちてかかる音

決して 中の犬が暴れてケージにぶつかったり、何か物が落ちたりして出た音ではありません

最後に私が犬舎の見回りに行ったときは、開いてる扉なんて無かった

居候の中型犬は普段から暴れたり騒いだりする子では無い大人しい子
マルチーズは病気であまり元気じゃないし、例え暴れてもそんなに大きな音はするはずがない
入院中の小型犬は今日、手術したのでグッタリしていた

どう考えても、犬舎であんなにも大きな音がするはずが無いのです

半泣き状態で走って病院を出て、外で先生と時計を見てみると 0時1分
ちょうど、音がした時間は0時ってことになります


次の日に先輩にその話をすると
   やっぱり・・・0時には犬舎で音がするんだよね~

動物病院こぼれ話・5 =怖かった話=_a0094978_0102472.jpg


何でそうなるのかはわからないけども、夜勤で0時まで居ると
代々、スタッフみんな不可解な金属音を聞くのだとか

だから どうしてもその時間に病院に居なくちゃならないときは
その時間の前後に有線放送をガンガンかけておいたり、院長の家に逃げ込んだりするのだそうです
犬舎に敢えて入って真相を確かめる勇者は居ませんでした


ああ~~ 思い出したら怖い怖い!!今夜、トイレ行くのヤダ!
明日、法事でお墓とお寺にいくんだけど・・・ 怖い・・・ ヤダ・・・

画像は本文と関係無く 扇風機を抱いて眠るチョコちゃんでした
by nahneko | 2007-08-25 23:01 | こぼれ話
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